メイン コンテンツにスキップ

 

カトラリー primo/プリモ
PRIMO/プリモの試作

今回プリモの製作をお願いしようと考えていたのは、燕三条でカトラリーの製造をしている[小林工業株式会社・ラッキーウッド]という会社。その歴史を調べると1868年に鍛冶工房として創業し、最初にカトラリーの生産を開始したのが大正4年だという。[ 燕市産業資料館 ]に行った時、日本の洋食器展示室の展示品にもその名は記され、国産のカトラリー製造の歴史を語る上で欠かせない存在のようだ。そんなとっても由緒ある会社の方に製作をお願いするのは無謀にも思えたが、知ってしまったからには一緒に仕事をしてみたい。ダメ元で問い合わせをする事にしたのだが、なにごとも勢いというのは大事である。なんと一度サンプルをみてから判断してもらえる事に。一歩前進。早速原型用に製作した最終サンプルを送る。パンッパンッ「お願い!」って手を合わせて郵送した。数日後に頂いた返答は嬉しい内容でした!プロジェクト実現にもう一歩近づいた。

図面の一部

早速原型を元に図面を起こして、生産までの工程を考えてもらえる事に。「それにしてもサンプル上手に出来てるねぇ、だれに頼んだの」「自分で作りました!」こんなやりとりがあったのですが、その道のプロの方に褒めてもらうのは何度経験しても嬉しいもんです。自画自賛ですいません。うれしかったのでつい…。

2週間くらいで、概算の見積りを頂いた。ある程度の金額は覚悟していたが、上をいっていて「わぉ」。[地抜き]、[半切り]、[刃抜き]、[柄押し]、[柄押し元矢]、[皿刃押し1]、[皿刃押し仕上]、[刻印]、[刻印打刻台]など、手でつくった作業を金型に置き換えるとこれだけの量が必要になるのだと説明を聞いて納得。なんとも大変なものを考えてしまったもんだと思いつつ、実現したい気持ちはさらに上にいっている。もちろん二つ返事でお願いした。これから完成までに約半年。工場視察もさせていただける事になり、どこかのタイミングで燕三条にまた行こうと思う。次回は視察の話になりそうだ。 …つづく

PROOF OF GUILD/竹内 稔

レシピとルーツ