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説明

イタリア料理Vicinoのシェフと共に、話が盛り上がり、開発に着手したお皿が出来上がった。大まかなイメージは、平皿で立ち上がった縁部分が内側にカーブしているというシンプルな形。木型の原型を彫ってイメージしていたものを作ったところまではよかったんだけど、どう作るのかが問題だった。お皿は圧力鋳込みという手法で作られる事が多いんだけど、型から取り出す為の条件として、鯛焼きのように型から外れないといけない。だけど内側に縁が倒れ込んでいると、縁が引っかかって型から抜けない。では、手挽き作ればできるのかと思いきや、平らな面を綺麗に出すのは難しく、そもそも今回作ろうとしている形からして向いてない。そんな問題を解決する為、相談させて頂いたのが陶芸家の水野幸一さんでした。

量産用と手仕事で作る手法は似ている事もあるけど、そもそもの方向性が違う事もあり、向き不向きが結構ある。相談した結果、今回はその二つの領域の良い所を掛け合わせたらクリア出来るのではないかという結論に至った。そして、水野さんに松助窯 七代目 加藤 貴久さんを紹介頂き、試作がスタートした。

ざっくりとした説明になってしまうけど、作り方としては、松助窯が得意とする技術でベースを作り、それを水野さんが削りを入れて仕上げていく。試作時に同席させていただいた時の事ですが、数十年陶磁器と向き合ってきた技術で、みるみるイメージしていた形に近づいていく。そして出来上がったフォルムは、なんとも良い感じに。ちょっとしたニュアンスの違いでイメージが変わるからと、いくつかサンプルを作ってもらい、その中でも一番イメージに近いものでお願いする事になった。

形が出来上がり、次に大変だったのが釉薬の色味と生地との関係性、焼成の難しさ。今回作りたかったイメージが、黒土の生地に綺麗な白をのせる事。簡単なように思えるが、これが思っている以上に大変なのです。ただ白い釉薬を塗っただけでは、生地の黒色をひろってしまいグレーっぽくなってしまう。どうすれば黒いベースに綺麗な白を表現できるのか。そんな問題もあったが見事に解決してくれた。

生地を素焼きし、白い泥をかけ2度目の素焼き、そして釉薬をかけて本焼成を行う。手間が二倍に増える訳だが、そうする事でとても綺麗な白が現れた。生地の厚みや焼成温度、窯の中での位置など、条件が合わないと貫入が入ってしまう問題も起きたが、今度は松助窯の加藤さんの経験でそれらも無事クリアし、完成に至る事出来た。二人の経験と知識、技術がなければ出来なかったと思うと本当に感謝しかない。

とても手間のかかる品になってしまい生産数は限られてしまいますが、協力頂いた方々のおかげで、とてもいいお皿が出来上がった。生地の黒が額縁のような役割をはたして白場がはっきりする事で、料理がより美味しそうに見えるのではないかと僕は思う。料理の支度が楽しくなるような、使いたくなるような、そんなお皿になっていたらと、願うばかりです。

文/竹内 稔

余談:試作で作ったお皿はイタリア料理vicinoで現在活躍中。ぜひ機会がありましたらお立ち寄り下さい。

Design | デザインPROOF OF GUILD
Name | 名称Danpa|Plate 23cm
Color | カラーブラック & ホワイト
Material | 素材陶器
Dimensions | 寸法w230 h230 d20 mm
Weight | 重さ約600g
Country of Origin | 製造国日本
Memo|備考お届けに最長2週間頂く場合があります。通常は1週間以内にお届けいたします。(在庫がある場合)

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